うつ病でのaccelerated-TMS:システマティックレビューとメタ解析
こちらの論文は、
のページに引用しています。
短期集中治療がTMS治療で有効
こちらの論文は、aTMSに関するシスマティックレビューです。
RCTを中心としたメタアナリシスでは、aTMSによってエフェクトサイズが0.39となっています。厳格な研究でも、aTMSは効果が認められています。効果量は非盲検にすると大きく増加しています。
短期集中プロトコールによる効果は様々な研究が進められており、安全性や副作用も大きな問題はないだろうと考えられてきています。
短期集中治療が効率的に行えるようになると、経済的にも時間的にも患者さんの負担が軽減し、社会生活を損なうことが少なくなります。抗うつ剤では効果に時間も要するため、社会の生産性に寄与できる治療法となる可能性があります。
サマリーのご紹介
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。
以下、日本語に訳して引用させていただきます。
概要
rTMSは、今や広くうつ病尾の臨床治療に使われていますが、かかってくる経済的、時間的な負担は患者にとって問題となる。
accelerated-TMS(aTMS)プロトコールはこれらの負担に対処し、標準的なTMSの効果を高めようとしている。
このシステマティックレビューとメタアナリシスは、PRISMAガイドラインに従って、うつ病のaTMS研究を調べることを目的としていた。選択基準は、1日あたり複数のTMS(rTMSもしくはTBS)のセッションを記述している利用可能なすべての英語文献のスタディから構成した。うつ病以外でのaTMSや他のニューロモデュレーション法、前臨床研究、ケイズ外刺激に関する神経生理学的研究は除外した。
18の論文のうち11の異なる研究(7つの論文は重複するサンプルであった)が適格基準を満たした。ヘッジのgでの効果量と信頼区間が計算された。
3つの適切なランダム化比較試験のサマリー分析により、0.39の累積効果量(95%CI 0.005-0.779)が明らかになった。非盲検試験とRCTのアクティブ群を含む異なる分析では、1.27のa g(95%CI 0.902-1.637)が明らかとなった。
全体としてメタアナリシスでは、aTMSが抑うつ症状の重症度を改善すること示唆した。一般的に、研究方法論は容認できるが、さらなる対照試験や盲検が必要である。
【お読みいただいた方へ】
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年1月4日
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