【ADHD③】28歳男性
プロフィール
- 治療期間:X年5月~X年6月の46日間
- 主訴:不眠、刺激過敏、意欲変動が激しい
- TMS治療の目的:抑うつ状態、不安の改善
- TMS治療プロトコール:iTBS 3分600発(平日特別プラン)
これまでの経過
ADHDの診断を受け薬物療法(コンサータ)を開始し、その1年後に鍼灸・整体による治療も開始されました。
一定の効果があったため、半年程前から断薬していました。
しかし、主訴である「意欲の波」に関しては依然変わりなく、TMS治療を強く希望されて当院に来院されました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
ADHDの特性そのものに対する効果は期待しにくいことを理解いただいた上で、情動の安定を目的としてTMS治療を開始ししました。
平日週5回、iTBSによる治療を行いました。
10回目終了時には、「調子良い、効果があると感じる。落ち込みにくくなってきた」と、副作用もなく抑うつ気分の改善傾向を認めました。
20回目終了時には、「10回目の時よりも良いと思う。睡眠も深くなってきた」と、10回目の時より効果を実感されていました。
30回目終了時には、「不安も落ち込みも減った。昔の嫌なことも思い出さなくなった。」と、主訴の改善が見られました。
30回終了後は、維持療法とブースター療法を検討いただき、不調時にブースター療法を行う方針で様子をみていくことになりました。
症例のまとめ
間隔を空けず30回通ってもらうことで、3分(600発)のiTBSでもしっかりと効果が認められています。
二次性のうつ状態に対しては、TMS治療の効果を期待することができます。
もともとの発達特性が弱い方の方がTMS治療の反応は良い印象で、コンサータを中断しても社会適応ができていた方でしたので、TMS治療も効果が期待しやすかったのだと思われます。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年9月21日
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