【ADHD⑧】20代女性
プロフィール
- 治療期間:X年3月~X年4月の57日間
- 主訴:抑うつ状態、過眠症、不安、イライラ、軽い確認強迫
- TMS治療の目的:抑うつ状態、不安、イライラ感の改善
- TMS治療プロトコール:右低頻度(30分)30回
これまでの経過
幼少期に情緒障害と診断されています。
現在でも情緒不安定さが続き、TMS治療に興味を持たれ来院されました。
2009年7月~2010年4月まで、ADHDの診断で入院加療されていました。
抑うつ状態、不安やイライラ感に対し、現在はリフレックス(抗うつ剤)・ラツーダ(抗精神病薬)、抑肝散内服中です。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、右低頻度治療(1,800発/1回)を30回行い、その後は現在まで維持療法を行っています。
TMS10回終了時は、「ちょっとよさそう。前より不安や落ち込みは減ってきた。」と効果を体感されていましたが、
2週間後に、「10回までは調子がよかったが、また落ち込みとイライラが強くなった。TMSが効かないのではないかと心配になる。」と、気分の落ち込みがみられました。
TMS20回終了時は、「まだ気分の波がある。理由なく落ち込み、不安、焦燥感やイライラが出たりする。」と、ご自身の自覚はありませんでしたが、
ご家族は、「前よりは良くなっていると思う。」と、少し効果が感じられているようでした。
TMS30回終了時は、「今週は調子悪くない。その前はちょっと波があった。」と、少し気分の向上が見られました。
治療スタッフから見ても、治療開始初期より笑顔や外交的な発言が圧倒的に増え、顔色も少し良くなっている印象でした。
治療後のフォローとして、ご本人希望により維持療法に移行し、2~4週間毎に治療頻度を週3→2→1回と漸減しています。
症例のまとめ
気分の落ち込みがあった際にも根気強く継続して頂き、30回を終える頃には主訴の改善が認められました。
ADHDの二次障害としてのうつ状態、感情調節障害に対しては、TMS治療も情緒の安定面で効果が期待できると感じた症例になります。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年10月9日
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