【ADHD⑨】20代男性
プロフィール
- 治療期間:X年10月~X年12月の45日間
- 主訴:過眠、易疲労感、頭の回転が遅い、食欲低下
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回) 30回
これまでの経過
大学入学後、自分より優れている学生たちとの交流をうまく受け入れられなくなった頃より抑うつ状態を自覚。
薬物治療が奏功せず、TMS治療を希望されました。
エビリファイ(抗精神病薬)、パキシル・トリプタノール(抗うつ剤)、アトモキセチン(ADHD治療剤)、デエビゴ(眠剤)を服用中です。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時は、「調子悪くないが特に効果も感じない。」とのことでした。
TMS20回終了時には、「過眠に関しては改善した気がする。疲れは多少良くなった。」とのことでした。
TMS30回終了時は、「気分的には大丈夫。過眠はまだ波がある。アルバイトをしようと思えるようになった。」と意欲的な姿勢がみられました。
心理検査的にも易疲労感を伴う抑うつ状態は若干軽快しましたが、本人が一番お困りの過眠、集中力低下に関してはあまり奏功しなかったため、心療内科への転院を希望されました。
症例のまとめ
ベースにADHDがあり、TMSはADHDの中核症状に対してのエビテンスは乏しいことを理解いただいた上での治療になりました。
集中力低下に関しては奏功しませんでしたが、二次症状である抑うつ状態には効果が感じられました。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年10月9日
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