【適応障害⑲】50代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/7月~X年/9月の46日間
- 主訴:頭が回らず仕事が遅い、睡眠不足
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS(1,200発/回)を30回
これまでの経過
他院精神科に通院中の患者様です。
関東での出張業務を始めて以降抑うつ状態が憎悪しているため、当院でのTMS治療を希望されました。
インチュニブ(注意欠陥・多動性障害治療薬)、ストラテラ(注意欠陥・多動性障害治療薬)、レクサプロ(抗うつ薬)、フルニトラゼパム(睡眠導入剤)、抑肝散(漢方)、アミティーザ(便秘薬)、アローゼン(便秘薬)を服薬されています。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、倍量iTBS(1,200発/回)を30回行いました。
出張で関東に滞在されている期間内に治療を終了したいとご希望があり、9月中までを目標として治療に取り組まれました。
TMS10回終了時点では「頭がスッキリした感じがある」とご体感を表現され、副作用もなく経過していました。
お仕事が多忙な中でも治療のためにご都合をつけてくださり、通院に対し大変努力しておられました。
TMS20回終了時には「調子はよい」とのことで、落ち込みもなく生活されているご様子でした。
勤務状況は変わらず多忙な中、通院とお仕事を両立いただいていました。
TMS30回終了時には「うつも効いたんですけど、自分の発達特性に合っていました」とのご感想をいただきました。
落ち込むことも減り、映画鑑賞も楽しめるようになったのことでした。
お仕事でのミスはある一方、頻度は以前よりも減り、ミスしたときも「まぁいいか」と思えるようになったそうです。
心理検査上でも抑うつ症状の改善が認められました。
当院でのTMS治療は終了し、他院での薬物療法を継続することとなりました。
症例のまとめ
週3~4日のペースでご通院いただき、1日2回の治療も交えながら30回の治療を終えられました。
出張期間内という限られた時間の中でご通院となりましたが、無事目標期間内で治療30回まで終了することができました。
治療効果も十分に得られ、患者様の通院努力が実った症例となりました。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月23日
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