【適応障害㉓】20代男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/8月~X年/9月の31日間
- 主訴:体の怠さ、食欲低下
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:aTBSを週に5回で30回
これまでの経過
1年以上前から人と会いたくない、食欲がない、外に出るのが億劫と体の怠さが見られ、薬物療法を開始するも奏功せず、その後も抑うつ状態が遷延しているため、当院受診となりました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、倍量TBS(1,200発/回)を1日2回、計30回行いました。
TMS10回終了時は、「モヤモヤは減ってきましたが、朝の起きづらさがあったり、食欲もない」とあまり効果は実感されませんでした。
TMS20回終了時には、「モヤモヤは10回目のときよりも減ってきて、朝の起きづらさは減ってきた、食事は前よりとれるようになってきた」と効果が見られ始めました。
TMS30回終了時は調子も良く、「調子自体は前よりはいいかなと思う。食欲も出てきた」と、主訴の改善が認められました。
ブースター治療についてご案内し、終診となりました。
症例のまとめ
夏休みという決められた期間の中で、31日で治療を終えました。初めは食事も行えないほど意欲は低下しており、抑うつ気分が認められていました。
ですが治療20回目終了後から、意欲の改善が他覚的にも明らかに認められました。
治療終了時には、スタッフに『この辺りで美味しい食べ物はありますか?』と食に興味も出始めており、治療効果が後半になって認められ、足週的にほぼ寛解にいたった症例です。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2023年2月18日
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