【適応障害⑱】40代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/5月~X年/6月の35日間
- 主訴:抑うつ状態、不安、イライラ感
- TMS治療の目的:抑うつ状態、不安状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS30回 (1日2回のaTBS)
これまでの経過
心療内科の受診歴はなく、はじめてrTMS療法のご相談で来院されました。
ここ4~5年にわたり抑うつ状態が認められ、集中力低下、思考力低下が明らかで、不安感やイライラ感が消長していました。
通常の薬物療法をすすめましたが、本人の希望によりrTMS療法を行っていくことになりました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態が消長しているため、うつ病の改善を目指して1日2回のaTBSを30回行いました。
10回目終了時には、「イライラ感はあるが強くなった感じはしない」と副作用等の変化はありませんでした。
20回目終了時には、「朝起きた時にすっきりする日もある」と、多少効果はあるものの大きい変化はありませんでした。
しかし30回目終了時には、「色んな事が思い出せるようになった。人の話を理解できるようになった。
特に28回目ぐらいから体感できるようになった。仕事でのコミュニケーションもうまくいくようになった」と、効果を実感されていました。
効果のピークが遅めなことを考慮し、さらに5-10回連続で治療することになりました。反復エピソードも疑われたため、維持療法へ移行しています。
症例のまとめ
効果の実感が20回目以降と遅い方もいるので、状態によっては30回まで続けることも必要になることがあります。
20回を目安に治療効果の判定をすることが多いですが、効果が期待しやすい患者様に対しては、30回の治療継続も検討したほうが良いと学ばされた症例でした。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年6月17日
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