【不安障害①】28歳男性
プロフィール
- 治療期間:X年5月~X年7月の63日間
- 主訴:人前で緊張する、入眠困難、意欲低下
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール: aTBS(1200発×2回)30回
これまでの経過
今春、寝つきの悪さ、赤面、緊張による発汗、人前で体が熱くなる、やる気が出ないなどの症状が出現したことから、他院の精神科にて検査を受けました。
治療のため今後通院するにも遠方だったことから、転院希望で当院に来院しました。
学生の頃に海外から個人輸入した選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を内服したが合わなかったこともあり、当院でのTMS治療を希望し治療開始となりました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態の改善を目的に、TMS治療を開始することになりました。
一日2回(2400発)のiTBSプロトコールを30回行いました。
10回目終了時は「なんとなく良くなってきた、モヤが取れてスッキリした感覚」が出てきました。
20回目には「会社のエレベーターで心臓を掴まれるような感覚がなくなり、会社に行くことが楽になった」など、改善したことを自覚できるほどに改善を認めました。
30回目終了時には、「落ち込みや不安もなくなり、集中力が上がった」など、更なる改善が認められました。
「環境を変えて転職を考えているため様子をみたい」とのことで、維持療法には移行せず終診となりました。
症例のまとめ
週2日の治療が続く中でも一日2回の治療を行ったことで、うつ状態の改善が認めれれた症例です。それによって社交不安も軽減し、前向きに社会生活を過ごせるようになりました。
不安障害にうつ状態を合併した場合は、まずはうつ状態をしっかりと改善することが大切で、TMS治療はその治療選択肢のひとつになります。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年8月22日
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