【不安障害⑨】40代男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/6月~X年/8月の49日間
- 主訴:すべての事が億劫、頭が回らない、認知機能の極端な低下、抑うつ状態、社交不安障害、確認行為の多さ
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善、不安の改善
- TMS治療プロトコール:右低頻度rTMS(1,800発/回) 30回
これまでの経過
うつ病にて他院精神科に通院中の患者様です。
抑うつ状態、不安、強迫症状の憎悪により休職中のため、当院でのTMS治療を希望されました。
ソラナックス(抗不安薬)、アナフラニール(抗うつ薬)、マグミット(便秘薬)を服薬されています。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、右低頻度rTMS(1,800発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時まで治療のご体感は表れておりませんでしたが、副作用なく経過されていました。
TMS20回終了時になると「気分が良い日が出てきた。何かしたい気持ちが出てきた」とお言葉がございました。
他院から処方を受けていたアナフラニール(抗うつ薬)も減薬できたとのことでした。
TMS30回終了時には食事や睡眠の状態も整い、「趣味も楽しめる」とお話されていました。
抑うつ状態や不安感の改善によって意欲的になったご様子が窺え、心理検査上でも症状の改善が認められました。
当院でのTMS治療は終了し、他院での薬物療法を継続することとなりました。
症例のまとめ
週4~5日のペースで意欲的にご通院いただき、30回の治療を終えられました。
休職されるほどの症状は、20年の治療歴でも今回が初めてとのことでした。
治療時間が30分と比較的長いことなど、通院に関するご心配もおありの中、生活サイクルの一つとして前向きに取り組まれていました。
結果、右低頻度rTMSの治療としては短期間で終了し、治療が奏功した次第です。
これまでの治療歴によりTMS治療での効果低減が懸念される場合がございますが、前治療の効果が認められたかは影響がないといわれており、模範的な治療プロトコル実践により症状が改善した症例となりました。
【お読みいただいた方へ】
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月17日
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