aTMS・aTBSとは?
治療期間を最短2週間まで短縮できる集中治療プロトコル
aTMSとは、Accelerated TMS(加速化TMS)の略で、名称が示唆する通り、rTMSを1日2回以上行うことで治療を加速化し、治療期間をぐっと短縮するプロトコルとなります。
1回の治療方法はrTMSやiTBSと同様で、治療スケジュールを短期集中して行っていきます。
30回のセッションを最短2週間で行うことができます。
aTMSは興奮(脳の活性化)を目的としたTMS治療で可能になります。
ですからiTBSでも実施可能で、1日2回以上のiTBSを行うプロトコールをaTBSと呼び、aTMSと同等の治療効果が期待できます。
【うつ病治療での加速シータバースト刺激:ランダム化比較試験】
aTMS・aTBS治療の特徴
aTMS・aTBS治療では、 rTMSやiTBSを一日に最大3回までの範囲で、複数回のセッションを行います。
そのため、治療期間は2~4週間程度まで短縮されることになり、遠方の方でも、休暇中などに治療目的でお越し頂き、短い滞在期間中に集中治療を受けることも可能となります。
受験生や休職期限が迫っている方など、早期の回復が望まれる場合に、効果を期待することができます。
他の治療法との違い
短期集中治療によって早い回復効果が期待でき、病気による損失を少なくできる治療として研究がすすめられています。
まだまだ新しい分野ですので、更なるエビデンスの蓄積が待たれますが、通常のTMS治療よりも効果的であるとする報告もあります。
先行するアメリカでは、1日10回×5日=計50回の集中治療のaTBSで得られた寛解率が90%に上るという驚愕の報告(スタンフォード式ニューロモジュレーション治療)がなされています。
日本国内での保険適用はなされない治療法ですが、当院では短期集中治療としてaTMSを導入しております。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。
執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年3月11日
関連記事
スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
勝負が決まる場面で思うようなプレーができず、悔しい思いをしたアスリートの方もおられるのではないでしょうか。 競技中に手がふるえたり、動かなくなってしまったりして、いつも通りのプレーができなくなってしまうことがあります。 … 続きを読む スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
投稿日:
人気記事
子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
投稿日: