当院のうつ病TMS治療成績(2020年12月~2023年12月末)
治療成績
- 病名:うつ病
- 期間:2020年12月~2023年12月31日
- 症例数:560名/li>
寛解率52% 反応率72%程度
2020年12月から、2023年12月末までに30回以上実施したうつ病・うつ状態の全症例(1096例)のうち、心理検査を前後で実施できている患者様560名の治療成績をご紹介します。
結果としては、
- 寛解率:52%(症状を特に感じずに生活できる状態)
- 反応率:72%(病的とまでいかない症状が残っている状態も含めて)
となりました。
寛解はHAM-D7点以下かつMADRS10点以下、反応率は50%以上の改善が認められることを条件としています。
治療成績の考察
うつ病に対しては、薬物療法と比較しても遜色ないばかりか、かなりよい治療成績となりました。
治療成績の参考になるものとして、アメリカでの多施設観察研究があります。
42施設(76%が民間クリニック)257人で1年の経過観察をしていて、およそ寛解率は40~45%、反応率62~67%になります。
こちらをみると、当院では寛解率が52%と、比較しても高い治療成績となりました。
自費診療という特性もあり、プラセボ効果や心理療法的な側面も働いて、研究などで示されている治療成績よりも高くなっていることは間違いありません。
ですが薬物療法とは異なるアプローチになるため、薬の反応が良くない方に対しても治療効果が期待できる点も考慮すると、非常に良い治療選択肢であることがお分かりいただけるかと思います。
TMS治療の最大のメリットは、治療期間の短さです。最短1週間で治療が完結するため、療養による機会損失を抑えることができるのが最大のメリットです。
治療成績を可視化して治療向上へ
東京横浜TMSクリニックでは、治療の前後で精度の高い心理検査を実施することで、治療成績を数字にして評価しています。
当院では、うつ症状に対するTMS治療実施にあたっては、HAM-DやMADRSといった薬の治験などでも実施する心理検査を行います。
こちらは専門家が評価する心理検査になり、自記式のSDSなどとよりも精度が高く、適切な治療判断につながります。
当院ではこのように治療成績を可視化することで、さらなる治療向上を目指しています。
またスタッフが症例サマリーを作成することで、多職種で治療の検証を行っています。
安心してTMS治療を受けていただくために、客観的なデータを発信していきたいと考えています。
また現在、連携している代々木心のラボクリニック様の症例とあわせて、これまでの症例データを解析して論文にしています。公開されましたらご紹介させていただきます。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2025年1月6日
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