【うつ病㉒】45歳女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/2月~X年/4月の46日間(30回終了)
- 主訴:情緒不安定、頭痛、不眠
- TMS治療の目的:挙児希望のため減薬希望
- TMS治療プロトコール:倍量iTS30回 (1日1回と1日2回のaTBSの組み合わせ)
これまでの経過
仕事がきっかけでうつ病と診断され、精神科に通院中。
他院にて処方されている、サイレース(睡眠導入剤)、サインバルタ・トレドミン(抗うつ薬)を服薬されていました。
ルーラン(抗精神病薬)も服用していましたが、妊活中のため中止したところ症状が悪化したため、rTMS治療を希望されました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
うつ病の改善を目指すTMSプロトコルを30回行いました。
TMS10回終了時には「調子よくなってきた。睡眠は変わらないが日中が元気になった。モヤがなくなった感じ。」と、初回から効果を感じていました。
そのまま30回まで継続し、TMS30回終了時には「日中の体調がよい。何か予定があっても動けるようになった」とのことでした。
減薬は出来ませんでしたが、状態は安定していたので維持療法に移行することになりました。
ご本人の希望があり、5日に1回の頻度で維持療法を行っています。
症例のまとめ
減薬希望で治療を始めましたが、30回の治療中には減薬に至りませんでした。
ですが、TMSで悪化した状態が戻り、維持治療を続けながら減薬を目指していくこととなっています。
抗うつ剤の併用は再発予防効果を高めるため、まずはベンゾジアゼピン系の睡眠薬からの減薬を目指しています。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年8月28日
関連記事
スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
勝負が決まる場面で思うようなプレーができず、悔しい思いをしたアスリートの方もおられるのではないでしょうか。 競技中に手がふるえたり、動かなくなってしまったりして、いつも通りのプレーができなくなってしまうことがあります。 … 続きを読む スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
投稿日:
人気記事
子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
投稿日: