【うつ病㉛】20歳男性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年/12月~X年/1月の21日間
  • 主訴:気分の落ち込み、自己肯定感の低下、集中力、理解力の低下、頭がボーっとしてしまう
  • TMS治療の目的:うつ症状の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量iTBS 30回(1日2回週5回のaTBS)

これまでの経過

1年前よりコロナによる自粛のため在宅時間が増え、父との父子葛藤に基づく遷延性抑うつ状態を呈しました。

薬では効果がなく、薬物療法の強化を進めましたが、学生のため冬休み中に治療を終わらせたいとのことで、TMS療法を希望されました。

薬物療法とTMS療法併用のため、本人の希望により他院より転院されました。

他院にてドグマチール(抗うつ薬)、半夏厚朴湯(漢方)、リーゼ(抗不安薬)を服用していました。

転院後は、トリンテリックス(抗うつ剤)を開始しました。

TMS治療経過

うつ病症例31の心理検査の結果をご紹介します

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

早期改善希望のため、倍量のiTBSを1日2回のaTBSプロトコールで週5回、30回行いました。

TMS8回終了時には、「TMS治療を行ったあとは2~3時間スカッとするけど、そのあと落ち込む、それで頓用のむ。」とのことでしたが、TMS治療を継続するうちに、「調子良い、落ち込みが減った」と効果を実感するようになりました。

26回目の時点で、漠然とした不安感、集中力低下、意欲低下は改善傾向となりました。

「勉強へのパフォーマンスを向上させるため、TMS続けたい」と希望あり、維持療法へ移行しました。

週3回から1週間おきにTMS治療の回数減らしていきました。

薬やめてからも調子よいので、一度治療は終了しました。

症例のまとめ

集中的に治療することでうつ症状は改善しました。改善後も徐々に治療回数を減らすことで、服薬せずとも安定した状態が続いていました。

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カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年9月2日

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