【うつ病㊺】30代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/9月~X年/10月の47日間
- 主訴:不眠、だるさ、イライラ、過食
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:通常TBS(600発/回) 30回
これまでの経過
X年に抑うつ状態になり、他院へ通院されていた方です。
数年後症状悪化により入院され、その後4年間症状は安定していました。
妊娠を機に症状が再発し、他院で気分変調症と診断され薬物治療を行いましたが効果が得られず、当院に受診されました。
抗うつ薬(レクサプロ)、睡眠薬(ベルソムラ、レンドルミン、レスリン)、抗不安薬(レキソタン)を内服されていました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、通常TBS(600発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時は、「少し頭痛が気になるが続けられそう」と発言され、治療への意欲を感じられました。
TMS20回終了時は、「受けていてあまり変化はない。悪くなった感じも特に強くない」と発言がありましたが、ご家族から見ると初診時より改善しているように感じられたため、治療を継続することにしました。
TMS30回終了時、「やる気が出るようになった。元気が出過ぎている感じはない。睡眠もとれている」と効果を実感され、表情も良く主訴も改善されました。
その後は維持療法の適応のため、維持療法について案内しました。
症例のまとめ
平日特別プランの方だったため、平日の午前中で治療間隔は3日以上空けずに通院して頂きました。
治療20回目まではご本人様自体は特に治療効果を感じられることがありませんでしたが、30回目を終えた頃にはご本人様も治療効果を感じられ、落ち込みやだるさを改善することが出来ました。
長年薬物療法を行っても効果が認められなかった方にも、iTBSを30回までしっかりと行うことで、薬物療法の反応性とは関係なく治療効果が認められた症例でした。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年12月25日
関連記事
スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
勝負が決まる場面で思うようなプレーができず、悔しい思いをしたアスリートの方もおられるのではないでしょうか。 競技中に手がふるえたり、動かなくなってしまったりして、いつも通りのプレーができなくなってしまうことがあります。 … 続きを読む スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
投稿日:
人気記事
子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
投稿日: