【うつ病62】20代男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年12月~X年/1月の34日間
- 主訴: 気分の落ち込み、意欲低下
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:aTBSと倍量TBS(1,200発/回)の組み合わせで30回
これまでの経過
他院の精神科初診は10年前で、社交不安障害と診断された患者様です。
薬物治療を行い、3年ほどで完治しました。しかし、ここ数ヶ月で意欲低下、気分の落ち込みがひどくなり、当院を受診し、うつ病と診断されました。
薬物治療ではなく、TMS治療を希望されました。
過去にデプロメール(抗うつ薬)を内服していましたが、現在は内服しておりません。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、aTBSと倍量TBS(1,200発/回)の組み合わせを30回行いました。
TMS10回終了時は、「若干活力が出てきた。」と意欲が少し向上してきました。
TMS20回終了時には、「活力は出てきていると思う。ちょっとした問題があった時に、ネガティブに考えてしまうことがまだある」とまだ気分の落ち込みはありますが、治療前よりは軽減されているようでした。
TMS30回終了時は、「ちょっと楽になったと思う。掃除や洗濯がやりやすくなった。動き出すまでの時間が短くなった。仕事も頑張っている。」と治療前は動くことすらとても辛いぐらい、意欲が低下していましたが、治療終了時には活動的になり主訴の改善が見られました。
治療前は表情も硬く、無表情でしたが、30回終了後には、表情が柔らかくなり、笑顔が見られました。
ブースター治療についてご案内し、終診となりました。
症例のまとめ
冬、真っただ中でとても寒い日もありましたが、3日間以上治療を空けることなく、ほとんど1日2回治療を行い無事30回を終えることが出来ました。
うつ病の再発を起こした患者様にもTMS治療の効果を改めて実感できた症例です。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年10月10日
関連記事
スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
勝負が決まる場面で思うようなプレーができず、悔しい思いをしたアスリートの方もおられるのではないでしょうか。 競技中に手がふるえたり、動かなくなってしまったりして、いつも通りのプレーができなくなってしまうことがあります。 … 続きを読む スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説
投稿日:
人気記事
子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
投稿日: