【うつ病77】50代男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/5月~X年/7月の45日間
- 主訴:意欲低下、生活全般が億劫
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS(1,200発/回) を30回
これまでの経過
他院心療内科に通院中の患者様です。
10年前にうつ病の診断を受け、入院治療も挟みながら薬物療法を継続してきましたが、意欲低下等の抑うつ症状が改善せず当院でのTMS治療を希望されました。
サインバルタ(抗うつ薬)、レンドルミン(睡眠導入剤)を内服されています。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時点では客観的に大きな変化は見られませんでしたが、患者様からは「少し気持ちは上向き。興味が出てきた感じ」とのお言葉がありました。
TMS20回終了時は、「何となく良い。映画館も行けるようになってきた。イライラも減った」と日常生活の行動や情動に変化が見られたようでした。
TMS30回終了時には、「よくなりましたよ。焦燥感がなくなりました。趣味も楽しめるようになりました」とハキハキとお話されていました。
表の通り、心理検査上でも抑うつ状態が改善しています。
TMS治療は終了し、他院での薬物療法のみ継続することになりました。
症例のまとめ
倍量iTBS(1,200発/回)を30回、ほぼ週5日のペースでご通院いただきました。
ご来院当初から穏やかで落ち着いた印象のある患者様でしたが、治療を重ねていく中で雰囲気が明るくなったようでした。
治療30回終了時には、ご趣味であったドラムの練習を一年ぶりに再開し、集中力低下などもなく楽しんでいると嬉しそうなご様子が窺えました。
TMS治療では通院頻度の高さが治療のネックになることもありますが、本症例では治療に対する患者様の意欲と通院努力が奏功したものと思います。
【お読みいただいた方へ】
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「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月17日
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