【うつ病82】30代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/6月~X年/8月の94日間
- 主訴:夜眠れない、食欲減退、気分が落ち込む、活動する気力が起きない、人に対して恐怖を感じる
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:通常iTBS(600発/回)を30回
これまでの経過
うつ病のため他院精神科に通院されていた患者様です。
最終受診は2年前でしたが、その後も抑うつ状態が遷延しているため当院でのTMS治療を希望されました。
当院での治療開始時点で服薬はございませんでした。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、通常iTBS(600発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時点で変化のご体感があり、「前より頭がクリアになってきた。考えがまとまるようになってきた」とお話されていました。熟眠感も出ているとのことでした。
その後、感染症罹患のため10日間の療養を挟みました。
体調回復後に治療を再開し、TMS20回終了時点では「調子よくなってきた」とのことでした。
TMS30回終了時は、何かをしたいという意欲が出始め、実際に手を出して楽しめるまでになりました。「治療してだいぶ良くなりました。頭の中がうわーってなっていたのが、理由づけて考えられるように」と、思考のまとまりも実感されていたようです。
睡眠に関しては、入眠までに1~2時間かかる、早朝覚醒があるなどの症状が残存していましたが、心理検査上では抑うつ症状の改善が認められました。
倍量iTBS(1,200発/回)での維持治療に移行することとなりました。
症例のまとめ
週5回のペースでご通院いただき、30回の治療を終えられました。
途中、感染症罹患のため療養を挟んだことで落ち込みが見られた時期もございましたが、治療を再開して以降は症状改善の様子が見受けられました。
集中的にご通院・治療を実践いただくことで、通常iTBSによる効果を十分に引き出すことのできた症例となりました。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月17日
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