【うつ病91】50代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/4月~X年/5月の40日間
- 主訴:憂うつで塞ぎこむ、物事が楽しめない、やる気が出ない 、漠然と不安
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:aTBSと倍量iTBS(1,200発/回)の組み合わせで 30回
これまでの経過
一昨年からうつ病で他院に通院中の患者様です。
昨年にmECT治療を勧められ他院にて入院しましたが、経過が良く1か月で退院しました。
しかし、退院後にうつ病が再発し、再び薬物治療を行っていますが効果がなく、TMS治療を希望されて当院受診となりました。
治療歴は、エビリファイ(抗精神薬薬)、ラミクタール(抗てんかん剤)、 ジアゼパム(精神安定剤) 、トリンテリックス(抗うつ剤)、アモキサン(抗うつ剤)
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、aTBSと倍量iTBS(1,200発/回)の組み合わせで 30回行いました。
TMS10回終了時は、「元気になったと思う。思考がクリアになった。」と10回目にして、効果を実感されました。
ですがbipolarityは高いと判断して躁転する可能性も加味し、1日2回治療は禁止として慎重に治療を継続しました。
TMS20回終了時には、「引き続き調子よい。気分上がりすぎていることもない。意欲低下は軽減した。睡眠、食欲も取れている。」と躁転することなく、引き続き調子が良くなっていました。
TMS30回終了時、「調子悪くない。読書、散歩できるようになり、楽しめている。よく眠れている。朝は早起きできている。」と治療前は読書や散歩を行う気力もありませんでしたが、治療終了後には出来るようになりました。
また、表情もとても明るくなっていました。
ブースター治療についてご案内し、終診となりました。
症例のまとめ
aTBSと倍量iTBS(1,200発/回)の組み合わせで 30回行いました。
治療反応とbipolarityの高さが示唆されたため、10回目以降から躁転に気を付けるため、1日1回治療としました。
躁転することなく、無事30回治療を行い、薬物療法では改善することが出来なかった主訴を、TMS治療で改善することが出来た症例です。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月23日
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