治療抵抗性うつ病(TRD)に対するメンテナンスrTMSのランダム化比較試験
こちらの論文は、
のページに引用しています。
こちらの論文は、治療抵抗性うつ病に対して維持TMS治療を行うことでの効果を調べたRCTになります。
お薬での治療を行っても改善しない治療抵抗性うつ病に対して、TMS治療を実施して反応した方に対して、メンテナンスTMS治療を行って効果を検証しています。
TMS治療の反応が認められた17名に対してメンテナンスTMS治療を実施したところ、1か月目と4か月目でうつ症状の改善が確認できています。
このことから治療抵抗性うつ病の場合は、メンテナンスTMS治療を行ったほうが良いと考えられます。
論文のご紹介
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。
アブストラクト
rTMS治療後の治療抵抗性うつ病(TRD)に対する再発予防のためのメンテナンスrTMSの使用については、いくつかの非盲検試験で検討されている。
我々は、ランダム化二重盲検対照デザインを用いて、rTMS治療に反応したTRD患者に対するメンテナンスrTMS治療の利点を評価することを目的としている。
58人のTRD患者が、非盲検の試験(第I相)で1ヵ月間にわたってrTMSを受けた。
レスポンダーの患者は高頻度rTMSの実刺激群と偽刺激群に無作為に割り付けられ、その後11ヵ月間治療を受けた(第II相)。
セッションの頻度は徐々に減らしていった。rTMSの抗うつ効果は、ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)を用いて評価した。維持療法の効果を評価するために、intention-to-treat分析を行った。
対象となった58名の患者のうち、35名の患者が1ヵ月間の実刺激rTMS(第I相)で反応し、17名の患者が維持療法(第II相)へ無作為に割り付けられた。
HDRSスコアのデルタ値は、1および4ヵ月目において実刺激群が偽刺激群と比較して有意な改善を示した(第II相)。
その他の期間では、両群間に有意差はなかった。
rTMSは、rTMS治療に反応したTRD患者の再発防止のための新たな戦略となり得る。これらの結果は、より大きなサンプル数で確認する必要がある。
【お読みいただいた方へ】
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年9月23日
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