【双極性障害⑩】30代女性
プロフィール
- 治療期間:X年10月~X年12月の59日間
- 主訴:不眠、憂鬱、意欲の低下、対人恐怖
- TMS治療の目的:抑うつ状態、不安の改善
- TMS治療プロトコール:rTMS(1,800発/回) 30回
これまでの経過
家庭環境により幼少期より抑うつ状態を自覚するも、脳科学・心理学を独学で学び、なんとか自分を客観的に見て対応してきました。
その後仕事のストレスをきっかけに抑うつ状態が再燃し、自己肯定感がないことからご自身で対応しきれなくなり精神科を受診されました。
薬物療法を行うも、抑うつ状態・不安が消長しているためTMS治療を希望されました。
また、治療前の段階で妊娠6ヶ月ということで、ご本人・ご家族に対し副作用やリスクの説明を実施しました。
ルネスタ(眠剤)、酸棗仁湯(漢方)、タンドスピロン(抗不安薬)を服用中です。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、右低頻度rTMS(1,800発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時は、「最初は気分の波が出たが、途中で改善してきた。意欲低下も良くなってきた。睡眠もとれている。」とのことでした。
TMS20回終了時には、「気分の落ち込みはあったが躁状態っぽい感じはなかった。モチベーションが上がってきている。」と、少しずつ効果を自覚されていました。
TMS30回終了時は、「少し疲れはあるが全体的に良くなったと思う。抑うつ状態が改善した。」と主訴の改善が認められました
症例のまとめ
躁転に注意を払いながら治療を行い、20回頃には気分の変化がみられました。
妊娠をみすえてお薬が使いにくい中、低頻度刺激にすることでけいれんリスクを極めて抑えて治療にのぞみました。
安全に実施することができ、治療意義を感じることのできた症例になります。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(総合職)も随時募集しています。
また、当法人ではTMS診療の立ち上げ支援を行っており、参画医療機関には医療機器を協賛価格でご紹介が可能です。
ご興味ある医療者の見学を随時受け付けておりますので、気軽にお声かけください。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年10月9日
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