【強迫性障害③】20代男性
プロフィール
- 治療期間:X年7月~X年8月の51日間
- 主訴:攻撃的な強迫観念
- TMS治療の目的:強迫症状の改善
- TMS治療プロトコール::dTMS(30回)
これまでの経過
3~4年前から「職場で物を盗ってしまったんじゃないか」「車に乗っている時に轢いてしまったんじゃないか」「スマホで変なことを書いちゃったんじゃないか」という強迫症状が出現されました。
去年から症状が強くなったため他院で薬物療法を行い、パキシルCR(抗うつ薬)、エビリファイ(非定型抗精神病薬)にて症状は軽減していました。
それでも十分にコントロールができないため、当院にてdeepTMSを実施することになりました。
TMS治療経過
※Y-BOCSは強迫性障害の重症度評価です。
dTMSプランを30回行いました。治療4回目から曝露療法も実施しました。
内容は、治療中に院内の文房具を目の前にセットする、タブレットにて口コミ欄に記入してもらう、院内の物を入れた袋を手に持ったまま治療を行うなど、階層化して段階的に曝露療法を行っていきました。
10回目には変化がありませんでしたが、20回目には「気になることが減ってきた」「強迫にとらわれる時間が短くなった」「盗っちゃったかなと思ってもポケットの確認はあまりしない」など、改善が見られました。
30回目終了時には、薬物療法を継続しながらも「かなり良くなったと思う」と、強迫行為も大幅に減少するなど治療前と比べて大きく改善しました。
大きな改善を認めたため、今後もし症状が再燃するようであれば維持療法も検討していくこととし、1クールで治療は終了となりました。
症例のまとめ
『治療のため』と思うと曝露療法を行っても強迫症状を誘発することは難しく、有効な曝露療法を考えることが難しい症例でした。
スタッフが一緒に曝露療法の内容を考えて階層化を行ったことで、deepTMSを30回終えたことが強迫症状の改善へと繋がりました。
強迫性障害に対するTMS治療では、薬物療法との併用と療法の曝露方法が重要と感じさせられた症例になります。
【お読みいただいた方へ】
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「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年10月23日
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