【強迫性障害④】40代女性
プロフィール
- 治療期間:X年10月~X年11月の39日間
- 主訴:不安になったことを何度も確認してしまう
- TMS治療の目的:強迫症状の改善
- TMS治療プロトコール::dTMS(30回)
これまでの経過
過去に他院で、TMS治療(左高頻度)を2回受けたことがある患者様です。
昔から不潔恐怖は強かったそうです。現在は不安になったことを何度も確認してしまい寝ていても不安な事が夢に出てきてしまうという症状が強く、dTMS治療を実施されました。
他院通院中ですが授乳中のため薬物治療を行わず、当院にてTMS治療を希望されました。
TMS治療経過
※Y-BOCSは強迫性障害の重症度評価です。
強迫症状を改善するため、dTMSを30回行いました。
治療3回目から曝露療法を開始しました。内容は、治療前に強迫症状を誘発する資料を1分間読む、治療中も資料に目を通すなど強迫症状を引き起こす状態を作りました。
治療10回目には、「今までは何度も何度も確認していたが、最近は回数が減ってきた。」と初めの頃に比べ、強迫症状が少なくなっていました。
治療20回目には、「前より我慢できる感じはする。コントロールできそうな気がする。落ちこみも減ったと思う。悪い夢も減り、睡眠もとれている」と前向きな発言が得られました。
ご自身からも新しい曝露の内容を提案され、積極的に治療に専念されていました。
治療28回目から、「家で気になることがあっても調べないこと」を、行動療法として行っていただきました。
治療30回目には、「強迫の感覚は減ってきた。不安も落ちこみも減っていると思う。」と、治療効果を強く実感されていました。
その後も症状をぶり返さないよう、授乳が終わるまでは維持療法を行っていく方針となりました。
症例のまとめ
ご自身から強迫症状を誘発する曝露の内容をいくつか提案していただき、積極的に治療に専念していただきました。
治療20回目ごろには、睡眠や不安の改善が認められ、強迫症状も初めの頃に比べかなり改善されました。
ご本人様の治療への姿勢が、症状改善に繋がった症例だと感じ、積極的な行動療法が治療効果を高めたように考えています。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年12月25日
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