【強迫性障害⑧】10代男性

プロフィール

  • 治療期間:X年2月~X年3月の48日間
  • 主訴:不潔恐怖、加害恐怖、不安障害
  • TMS治療の目的:強迫症状の改善
  • TMS治療プロトコール:deepTMS(30回)

これまでの経過

3か月前から、他院で薬物療法を行い始めました。

薬物療法を併用しながらTMS治療を行いたいということで、当院受診となりました。

TMS治療経過

強迫性障害⑧の心理検査の結果をご紹介します

※Y-BOCSは強迫性障害の重症度評価です。

強迫症状を改善するため、deepTMSを30回行いました。治療6回目から曝露療法を開始しました。

内容は、「茶色いシミ(コーヒー)を付着させたペーパータオルを10秒間触る」、「治療前に「4」と書かれた紙をみてもらう」を行い、強迫症状を引き起こす状態を作りました。

治療14回目には「暴露も頑張っている。最近、怖いことを考えなくなってきた。唱えることが減った。忘れている感じ。」と発言あり、初めの頃は曝露行為を行うことを恐れていましたが、14回目では協力的に行っていただきました。

治療30回目には、「強迫観念が減ってきた。以前だったら気になることも、大学に行ったら今の状態は変だなと客観的にみられるようになった。強迫行為も減っている。入浴時間も減っている。」と自分自身を客観的に考えられるほど、余裕が出て、笑顔が増えました

治療前はこの治療自体を怖がっていて、中々刺激強度を上げるに時間を要しました。

しかし、治療を行っていくうちに、環境や治療にも慣れ、とても積極的に治療を行うことが出来ました

曝露行為も積極的に行っていただき、本人様の努力で、主訴を改善することが出来ました。

維持療法をご案内し、希望されたため、今後は維持療法を行っていきます。

症例のまとめ

受験の中、30回治療を終えることが出来ました。治療初回時には、慣れない環境、見たことのない機械、よくわからない治療でとても怖がっていました。

ですが、治療6回目には、治療に慣れ、曝露行為を行っていただきました。

曝露行為を行う際も、強迫症状をわざと引き起こすため、とても懸念していましたが、慣れてきた時には、とても積極的に行っていただきました。

薬物療法では、症状を抑えることが出来ませんでしたが、TMS治療により、強迫症状を忘れてしまうほど、症状の改善が出来た症例です。

今後は、維持療法として、徐々に治療頻度を減らしていく予定です。

【お読みいただいた方へ】
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「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、各クリニックでコンセプトをもち、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
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カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2022年10月10日

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