【強迫性障害⑩】20代男性
プロフィール
- 治療期間:X年9月~X年10月の34日間
- 主訴:不潔恐怖
- TMS治療の目的:強迫症状の改善
- TMS治療プロトコール:deepTMS(29回)
これまでの経過
遠方からの来院で、2~3年前から他院にて薬物療法を行っている患者様です。
薬物療法を行っていますが症状は改善せず、悪化傾向の為、当院のでdeepTMS治療を希望され、受診に至りました。
TMS治療経過
※Y-BOCSは強迫性障害の重症度評価です。
強迫症状を改善するため、dTMSを29回行いました。治療3回目から曝露療法を開始しました。
内容は、「来院時までのエピソード。」、「ドアノブを素手で触れる。」、「床に落としたペンを拾う」を曝露療法とし、強迫症状を引き起こす状態を作りました。
治療10回目には「環境が変わって、色々気になってしまうところがある。」と、遠方からお越しの為、環境に慣れることで精一杯でした。
治療20回目には、「不潔恐怖も減り、待合の椅子にも座れた。アルコールを使う量が減り、完璧性を求める事も軽減した。」と、初回時よりもかなり不潔恐怖の観念は少なくなりました。
行動療法はご自身で治療20回目頃から、日々違うことを行ってくださっていたので、治療30回目まで継続して頂きました。
治療30回目には「調子よくなった。強迫症状は軽減し、普段の生活でビニール手袋をしていたが、外して生活できるようになった。」と、かなり効果を感じられました。
30回目の治療後、「この治療をして良かったです。かなり良くなりました。」と笑顔で退出されました。患者様自身の治療に対する前向きな姿勢が、治療効果に繋がりました。
症例のまとめ
遠方からお越しの患者様の為、今後も薬物療法を続けていくことをお伝えし、終診となりました。
遠方からお越しで、慣れない環境の中、予定通り治療を終えることができました。
治療15回目ぐらいで、症状が再燃してしまいましたが、ご自身の努力もあって持ちこたえ、治療30回目終了時には明らかな症状改善に至りました。
初診時より、かなり日常生活が送りやすくなりました。患者様の努力が治療効果に繋がり、症状改善した症例です。
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カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年12月16日
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