非薬理学的介入は、うつ病から回復した成人の再発を予防できるか?ランダム比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス
こちらの論文は、
のページに引用しています。
認知行動療法は持続的な再発予防効果あり
こちらの論文は、うつ病再発予防において心理療法がどの程度効果があるのかを調べた論文になります。
認知行動療法と対人関係療法、マインドフルネスの3つの効果が認められており、12か月後の再発率を22%低下させる結果となっています。
その中でも認知行動療法は、2年後にも効果の持続が確認できましたが、残念ながら対人関係療法では確認ができませんでした。
薬物療法とあわせて治療の順序や時期なども関係してくる可能性がありますが、心理的な治療は再発予防にも有効であるといえます。
とくに認知行動療法は、持続的な再発予防効果があるといえそうです。
論文のご紹介
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。
目的
うつ病からの回復後に行われる非薬物療法の介入についての研究を同定し、更なるうつエピソードの再発を防ぐ効果を評価することを目的とした。
方法
MEDLINE、Embase、PsycINFO、CENTRAL、ProQuestの検索、参照・引用リストの検索、および研究著者への問い合わせにより、関連するランダム化対照試験を同定した。再発アウトカムに関するメタアナリシスを行った。
結果
29件の適格な試験があった。2742名の参加者を含む27の二元比較が主要解析に含まれた。
認知行動療法(CBT)、マインドフルネス・ベース認知療法(MBCT)、対人関係心理療法(IPT)は、12ヵ月後の再発を対照群と比較して22%減少させた(95%CI 15%~29%)。
この効果は、CBTでは24ヵ月後も維持されたが、IPTではセッションを継続しても維持されなかった。MBCTの24ヵ月のデータはなかった。
これらの群を区別する主な要素は、過去の急性期治療にあった。
その他の心理療法やサービスレベルのプログラムは効果にばらつきがあった。
結論と示唆
心理学的介入は、薬物療法や急性期の心理療法によって得られた回復から再発までの期間を延長させる可能性がある。
MBCTが有効であるという証拠はあるが、それは主に薬物療法後にテストされたものであり、心理的介入後の有効性はあまり明らかではない。
IPTは、急性IPTの後にのみ試験された。介入の順序をさらに検討する必要がある。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年9月22日
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