TMS治療プラン

3つの治療特徴

当院の治療方法には、以下の3つの特徴があります。

  • 最短2週間の短期集中急速治療が可能
  • 週2以上から治療が可能 ※条件つき
  • エビデンスに基づいた治療が可能

病状はもちろんのこと、お金や時間といった社会的な側面も踏まえまして、医師がオーダーメードに治療方法を提案いたします。

また治療プロトコールや手技につきましては、TMS治療の第一人者の監修のもと、最新のエビデンスに基づいた方法を行っています。

当院で対応する病気と目的

rTMS治療は、日本ではうつ病のみ保険適応となっている治療です。

当院ではエビデンスに基づき、明らかに効果が期待できる病気に対してrTMS治療を行っています。

※疼痛と麻痺については、2023年9月頃より開始予定。

そのほかの病気でのご相談

当院でご相談いただくことが多い疾患や概念として、以下のようなものがあります。

ブレインフォグHSP脳疲労といった、概念があいまいで様々な原因が考えられる病気でのご相談をうけることもあります。

当院では精神科医が診察し、期待できる効果や他の治療法も含めて、客観的にご説明させていただきます。

ご理解いただいたうえで、TMS治療を実施させていただくこともございますが、明らかに適応外の場合は他の治療法をお勧めします。

診察する前に明らかに適応外で診察が短時間で終了となる場合は、保険診療の治療費もいただかない場合がございます。

併設するこころみクリニックにて、通常の診療に移行することも可能です。

よくあるTMS治療の目的

当院では、以下の目的の方にTMS治療を活用させていただいています。

TMS治療のエビデンスは、病気や症状によって異なります。

当院ではエビデンスをうまく活用しながら、これまで培ってきた臨床経験と組み合わせて治療を行っていきます。

TMS治療の適応疾患

治療プラン

     
治療プラン 治療コース 治療頻度 刺激時間 概要
iTBS A ≧週3 3~6分 シータバーストrTMS治療
倍量iTBS A ≧週3 6分 刺激時間2倍のiTBS治療
accelerated-TBS A ≧週2 3~6分 短期集中でのiTBS治療
cTBS A ≧週3 1分 増強目的のcTBS治療
piTBS B ≧週3 10分 効果増強したiTBS治療
低頻度rTMS15分 C ≧週2 15分 低頻度でのrTMS治療
低頻度rTMS30分 D ≧週2 30分 低頻度でのrTMS治療
deepTMS D ≧週2 18分 強迫性障害の特殊TMS治療
高頻度rTMS(疼痛) D ≧週2 20分 線維筋痛症の特殊TMS治療
低頻度rTMS(麻痺)D ≧週2 20分 上肢麻痺の麻痺の特殊TMS治療
維持TBS A ≦週1 6分 状態を維持するiTBS治療
ブーストTBS A ≧週2 6分 悪化した場合のリカバリーTBS治療

治療枠は実際の刺激時間だけでなく、治療設定や手技にかかる時間も考慮して設定しています。

 

強迫性障害に対するdeepTMSは、刺激時間は短いですが暴露療法を併用するため、治療プランDとなっております。

疼痛や麻痺に対するrTMSは、刺激時間はやや短いですがリハビリ計画をたてて同時に実施するため、プランDとなっております。

Dプランにつきましては、実際にはそれ以上のお時間になりますが、金額を抑えています。

治療プランの詳細

当院では、

  • 左DLPFC高頻度刺激
  • 右DLPFC低頻度刺激

の2つの刺激方法を基本に行っております。

DLPFCとは背外側前頭前野と呼ばれる場所で、うつの治療ターゲットとなる場所になります。

高頻度刺激では脳を興奮させて働きを活性化させ、低頻度刺激では脳を抑制して落ち着けるといわれています。

どちらの刺激法が適切かは患者様によっても異なり、それには臨床経験を積んでいる精神科医による診察が必須になります。

特殊な刺激法

病気によって、エビデンスがある特殊刺激法を行うことができます。

これらの基本的な方法に加えて、

  • ACC・dmPFC高頻度刺激
  • SMA低頻度刺激

を実施しています。

脳の奥の方を、特殊デバイスを使って刺激するdeepTMSになります。

強迫症状自体の治療を目指すrTMS治療になります。

左DLPFC高頻度刺激

高頻度刺激については、iTBS(シータバースト)刺激を基本に行っています。

刺激パターンを工夫することで、従来の保険適応のrTMSと同等以上の治療効果が期待できます。

当院のiTBS

通常1回3分強の刺激(600発)となっていますが、当院では2回分にあたる6分強の刺激(1200発)を同じ費用で実施が可能です。

準備時間を含めますと機械の使用時間は大きく変わりがないため、少しでも治療効果を高めたいと考えています。

病状と治療状況によっては3分強(600発)の通常のプロトコールの方が適切な場合もありますので、主治医が相談させていただきます。

治療頻度

TMS治療は、最低でも週に3回以上行うことが望ましいとされています。

当院では患者様の生活をうかがいながら治療計画をたてていきますが、少なくとも週に2回は通院いただく必要があります。週に1回の治療では効果が期待できないため、TMSが適切な治療ではありません。

短期集中治療も可能

また当院では、短期集中での治療プログラムも可能となっています。予約が取れる範囲の中で、できる限り対応させていただきます。

accelerated-TBSでは、1日に3回までのiTBSを週5回まで行うことができます。このため最短で、2週間で30回のプロトコールを完了することができます。

TMSと短期集中治療

右DLPFC低頻度刺激

低頻度刺激については、rTMSによって30分の治療(1800発)が標準的な治療プロトコールになります。

規則的な刺激パターンの通常の低頻度rTMSを行うと、右DLPFCを抑制する働きがあります。

低頻度刺激は、15分(900発)を下回ってしまうと治療効果は期待しにくくなってしまいます。

低頻度刺激の方が向くケース

低頻度刺激の最大の弱点は、時間がかかってしまうことです。このため必然的に、治療費も高くなってしまいます。

右低頻度刺激は、双極性障害や不安障害の患者様では、高頻度刺激よりも適切な場合があります。

ただリスクが少ないケースでは、うつ症状や睡眠障害がある場合は左高頻度刺激の方が良い場合も多いです。

現実的なご相談もふまえて、効果が期待できる治療計画を立てていきましょう。

右DLPFCに対するcTBS

刺激頻度としては高頻度になりますが、高頻度刺激を持続することで抑制性の働きをもたらすことが可能です。

ですから右DLPFC低頻度刺激と同様の効果が期待できますが、エビデンスが確立されておらず、単独では治療効果も乏しい評価となっています。

このため30回程度の初回治療後、右低頻度刺激を行ったほうが良いけれども費用負担が気になる方に対しまして、cTBSをご案内させていただいています。

維持療法

症状が良くなった後は、患者さんの病状により維持療法を検討していく必要があります。

再発リスクが高い病気については、維持療法をお勧めさせていただきます。

週1回~隔週程度の維持TBSで半年~1年余り経過をみていくことをお勧めする場合があります。

これは薬物療法と同様で、寛解(ほとんど元の生活がおくれるようになった状態)から回復(ストレスに対する脆弱性もうすれた状態)になるまで、半年~1年ほどの期間が必要になるためです。

ブーストTMS治療

また、症状が再度悪化を見せた場合は、1~2週間程度のTBS治療を行うことで改善を目指していきます。

病状によっては、不調のサインが認められたらすぐに来院いただき、ブースト治療を行っていただく場合もございます。

患者様のお気持ちを尊重していきますので、医師に相談いただき、治療方針を決めていきましょう。